昨夜の透析業務終了後の19時過ぎから透析患者のC型肝炎治療講演会に出席してきました。透析患者さんは一般の人に比べ、肝炎にかかる率が高く、ほっておくと肝硬変から肝癌になってしまいます。日本医科大学消化器・肝臓内科准教授の厚川正則先生のお話では、透析患者さんのC型肝炎は飲み薬(DAA、direct acting antivirals)でほとんどが治ってしまうそうです(早期治療が必要ですが)。透析施設が治療ができるC型肝炎患者さんを見過ごすのはいけませんとのことです。早速、あだち江北メディカルクリニックに10月から転院してきた患者さんに治療できる人がいるか調べいれば治療しようと思います。もう一つの講演は、下落合クリニックの菊地勘先生です。透析患者さんの肝炎についてのエクスパートです。かつては透析患者さんの貧血に対して輸血が行われ多くの患者さんが肝炎に罹りました(1993年では23.9%、4人に1人は感染しました)。現在は感染予防の知識が普及し罹患率も5%程度に下がっているそうです(でもまだ一般の人より高いそうです)。
医科歯科大学腎臓内科に入局した頃に(1971年ごろ)、関連病院で先輩の何人かが透析に従事して肝炎に罹りました。その頃は治療法もステロイド投与などしかなく、苦労なさっていました。今では内服薬で治ってしまう時代になり、隔世の感があります。
医療は数年で進歩していきます。それに遅れないように絶えず勉強して患者さんに最良の医療をしようと決意した次第です。
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