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執筆者の写真Yasuhiko Iino

20190307福生病院の透析中止

 透析医療にかかわっている者として衝撃のニュースです。公立福生病院で昨年、透析を一旦中止希望を出した患者さんが、その後透析再開を希望したのにも関わらず、主治医が透析をやらずに死亡したとの記事が載りました。医療は奉仕の精神を忘れてはいけません。助けを求める患者さんを何としても救うのが医療者です。もちろん、本人が十分に納得して透析医療をしないと判断した場合は、日本透析医学会のガイドラインに沿って判断するのが日本の現状です。今回の件は、まったくこの基準には当てはまりません。死に対する考え方はそれぞれの国や文化の違いで一律には言えませんが、日本に住んでいる限り、現在の日本人のコンセンサスに従うのが医療と言えます。米国では透析中止は本人の希望で行うことができます。それだけ個人の意見を尊重していることだと考えられます。僕が30年以上前にみていた米国人の患者さんでも、透析を行っているのが辛く、透析治療はもうしたくないと表明し、長時間話し合った結果、米国へ帰国しホスピスへ入り、亡くなった方がいます。いろいろな患者さんの団体にも関与してお話を伺っていますが、最終的にはその方が最期をどのように迎えたいのかが重要だと思います。その希望に沿ってあげるのが医療者だと思います。個人個人が自分の最後をきちんと考えておき、家族にも伝えて、書面に書くべきですね。

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